AIエージェントを仕事で使う実践手順:調査・資料作成・日報を短時間で進めるプロンプト集
会社員、個人事業主、小規模事業者向けに、AIエージェントで調査、資料作成、会議メモ、週報を効率化する手順とコピペ用プロンプトを紹介。EveryとKarpathy氏の投稿をもとに実務向けに再構成します。
この記事で解決する悩みは、「AIが便利そうなのは分かるが、毎日の仕事で何をどう頼めばよいか分からない」「調査、資料作成、日報、企画メモに時間がかかる」「毎回プロンプトがばらついて成果物の品質が安定しない」という問題です。
結論から言うと、AIエージェントは単発の質問相手ではなく、入力資料、作業手順、確認ルール、出力フォーマットをまとめた作業OSとして使うと実務に乗せやすくなります。
この記事では、Everyの「Codex for Knowledge Work」と、Andrej Karpathy氏のAI支援ワークフローに関するX投稿を参考にしながら、会社員・個人事業主・小規模事業者の実務で使いやすい形に再構成します。ニュース解説ではなく、コピペして試せる手順とプロンプト集を中心にしています。

まず決めること:AIに任せる仕事と任せない仕事
AIエージェントを仕事で使うときは、最初に「任せる仕事」と「人間が見る仕事」を分けます。ここが曖昧だと、便利そうに見えても実務では使いにくくなります。
| 任せやすい仕事 | 人間が確認すべき仕事 |
|---|---|
| 資料の要約 | 事実誤認がないか |
| 会議メモからタスク抽出 | 担当者・期限が正しいか |
| 記事構成や企画案のたたき台 | 自社の方針や表現に合うか |
| 比較表の作成 | 料金・仕様・引用元が最新か |
| 日報・週報の整形 | 機密情報や個人情報が混ざっていないか |
Everyの記事では、Codexをコーディングだけでなく、メール、調査、計画、レポート作成などのナレッジワークに広げる考え方が紹介されています。この考え方は、日々の資料作成や情報整理にも応用できます。
参考にしたX投稿:まず関連情報をAIに渡す
Karpathy氏は、AI支援作業で「関連するものを文脈に入れる」リズムについて投稿しています。これは会社員の資料作成や、個人事業主のリサーチ作業でも同じです。良い出力を得るには、最初に十分な材料を渡す必要があります。
Noticing myself adopting a certain rhythm in AI-assisted coding (i.e. code I actually and professionally care about, contrast to vibe code).
1. Stuff everything relevant into context (this can take a while in big projects. If the project is small enough just stuff everything…
— Andrej Karpathy (@karpathy) April 25, 2025
作業フォルダを作る:毎回ゼロから説明しない仕組み
まずは、1つの業務だけを対象にして作業フォルダを作ります。例として「AIニュースをもとにブログ記事を作る」「営業資料を作る」「週報を作る」など、繰り返し発生する仕事を選びます。
/ai-workflow
/input
source-links.md
meeting-notes.md
customer-questions.md
/prompt
01-research.md
02-draft.md
03-review.md
/output
draft.md
summary.md
task-list.md
/check
fact-check.md
publish-checklist.md
この構成にしておくと、AIに「どの資料を見て、何を出せばよいか」を毎回説明しなくて済みます。個人事業主なら営業メール、請求前チェック、SNS投稿案にも使えます。会社員なら会議メモ、提案書、週次報告に使いやすいです。
プロンプト1:今日やる仕事をAI向けに整理する
AIにいきなり作業を頼む前に、仕事の目的、入力資料、出力形式を整理します。
あなたは私の業務アシスタントです。
これから依頼する仕事を、AIに任せやすい形に整理してください。
# 私がやりたいこと
{例: 競合3社のサービスを調べて、営業資料のたたき台を作りたい}
# 使える資料
{URL、メモ、議事録、顧客からの質問など}
# 最終的にほしい成果物
{例: A4 1枚の比較表、提案書の構成、ブログ記事の下書き}
# 制約
- 不明点は推測しない
- 事実と意見を分ける
- 公式情報が必要な箇所は「要確認」と書く
- 機密情報や個人情報は扱わない
# 出力形式
1. AIに任せる作業
2. 人間が判断する作業
3. 必要な追加資料
4. 最初に実行するプロンプト
プロンプト2:調査を実務メモに変換する
海外記事やX投稿を見つけても、そのまま読むだけでは仕事に使いにくいです。次のプロンプトで「自分の仕事にどう使うか」へ変換します。
あなたは業務改善のリサーチ担当です。
以下の参照元をもとに、私の仕事で使える示唆に変換してください。
# 参照元
{記事URLやX投稿URL}
# 私の仕事
{例: ブログ運営、営業資料作成、社内報告、商品企画、顧客対応}
# 読み取ってほしいこと
1. 重要な論点
2. 明日から試せる使い方
3. 注意すべきリスク
4. 必要な確認事項
5. そのまま使えるプロンプト案
# 禁止事項
- 原文の長い翻訳
- 出典不明の断定
- 料金や機能の断定
プロンプト3:会議メモをタスクに変換する
会社員なら、会議メモの整理はAIエージェントの最初の用途として向いています。判断は人間が行い、整理作業をAIに任せます。
以下の会議メモを整理してください。
# 会議メモ
{ここにメモを貼る}
# 出力してほしいもの
1. 決定事項
2. 未決事項
3. 担当者ごとのタスク
4. 期限が必要な項目
5. 次回確認すべき質問
6. 関係者に送る共有文の下書き
# 注意
- メモにないことは推測しない
- 担当者が不明な場合は「担当未定」と書く
- 期限が不明な場合は「期限要確認」と書く
プロンプト4:個人事業主向けの週次レビュー
個人事業主や小規模事業者は、振り返りと次の行動決定にAIを使うと効果が出やすいです。
あなたは個人事業主の業務改善パートナーです。
以下の1週間のメモをもとに、来週やるべきことを整理してください。
# 今週のメモ
{売上、問い合わせ、作業内容、困ったこと、気づき}
# 出力形式
1. 今週うまくいったこと
2. 時間を使いすぎたこと
3. 来週やめること
4. 来週続けること
5. 来週試すこと
6. 優先順位トップ3
7. 30分でできる最初の行動
# 注意
- 売上や効果を断定しない
- 数字が足りない場合は「記録が必要」と書く
プロンプト5:記事・資料の初稿を作る
調査が終わったら、AIに初稿を作らせます。ただし、公開前の事実確認、権利確認、表現確認は人間が行います。
以下の調査メモをもとに、{成果物}の初稿を作ってください。
# 成果物
{例: ブログ記事、提案資料、社内共有メモ、営業メール}
# 読者
{例: AI活用に興味はあるが、具体的な使い方が分からない人}
# 解決したい悩み
{例: 調査や資料作成に時間がかかる、プロンプトが毎回ばらつく}
# 必ず入れること
- 冒頭で解決する悩みを明記
- 手順
- コピペ用プロンプト
- 注意点
- チェックリスト
- 参考元
# 禁止事項
- 原文の長い翻訳転載
- 根拠のない断定
- 読者にリスクがある助言
参考にしたX投稿:AIエージェントに任せる比率が増える
Karpathy氏は、AIコーディング能力の向上により、作業の多くをエージェントに寄せる流れにも触れています。これは文章作成や資料作成でも参考になります。全部をAIに任せるのではなく、下書き、比較、整理、レビュー案の作成をAIに寄せ、人間は判断に集中します。
A few random notes from claude coding quite a bit last few weeks.
Coding workflow. Given the latest lift in LLM coding capability, like many others I rapidly went from about 80% manual+autocomplete coding and 20% agents in November to 80% agent coding and 20% edits+touchups in…
— Andrej Karpathy (@karpathy) January 26, 2026
7日間で試す導入手順
Day 1:1つの悩みを選ぶ
「会議メモ整理に時間がかかる」「ブログ記事の構成に時間がかかる」「週報を書くのが面倒」など、1つだけ選びます。
Day 2:入力資料を集める
議事録、URL、過去の資料、メモを1つのフォルダに集めます。機密情報や個人情報は入れないようにします。
Day 3:プロンプト1で作業を整理する
AIに任せる部分と人間が見る部分を分けます。
Day 4:プロンプト2〜5のどれかを試す
対象業務に合うプロンプトを1つだけ使います。最初から全部試す必要はありません。
Day 5:出力をチェックリストで確認する
事実、出典、機密、表現、読者にとっての分かりやすさを確認します。
Day 6:修正プロンプトを作る
出力が弱かった点をもとに、次の修正プロンプトを作ります。
以下の下書きを修正してください。
# 修正したい点
- 具体例が少ない
- 手順が抽象的
- 読者の悩みへの回答が弱い
- 出典の示し方が足りない
# 修正ルール
- 冒頭で悩みを明記する
- 手順を番号付きで書く
- プロンプト例を追加する
- 不明点は要確認にする
Day 7:テンプレート化する
うまくいったプロンプトを保存し、次回も同じフォルダ構成で使います。
参考にしたX投稿:一発回答ではなくフローで作る
Karpathy氏は、単純なprompt-answerではなく、反復的に作る「flow」の重要性にも触れています。実務でも、1回で完璧な答えを出させるより、整理、初稿、レビュー、修正の流れに分けた方が安定します。
Prompt engineering (or rather “Flow engineering”) intensifies for code generation. Great reading and a reminder of how much alpha there is (pass@5 19% to 44%) in moving from a naive prompt:answer paradigm to a “flow” paradigm, where the answer is constructed iteratively. https://t.co/Nf4yDFjecH pic.twitter.com/FSx9Xd1JCa
— Andrej Karpathy (@karpathy) January 18, 2024
最終チェックリスト
- 冒頭で解決する悩みを書いた
- AIに任せる仕事と人間が確認する仕事を分けた
- 入力資料を1つのフォルダにまとめた
- コピペ用プロンプトを保存した
- 出力結果を人間が確認した
- 公式情報や出典を確認した
- 機密情報や個人情報を入れていない
- 次回も使えるテンプレートとして残した
今日すぐ試すなら
まずは、会議メモ、週報、ブログ構成、営業資料のどれか1つを選び、プロンプト1で「AIに任せる作業」と「人間が確認する作業」を分けてください。そこから1つだけプロンプトを実行すれば、AIを仕事に組み込む最初の型が作れます。
参考にした海外ソース
- Every「Codex for Knowledge Work」: https://every.to/guides/codex-for-knowledge-work
- Andrej Karpathy氏のAI支援コーディングに関する投稿: https://x.com/karpathy/status/1915581920022585597
- Andrej Karpathy氏のAIエージェント活用に関する投稿: https://x.com/karpathy/status/2015883857489522876
- Andrej Karpathy氏のFlow engineeringに関する投稿: https://x.com/karpathy/status/1748043513156272416